長時間労働で心身が限界に近い、サービス残業させられる、労働組合も無い、そんな場合よく「労働基準監督署に相談する」という方法がおすすめされる場合がありますよね。
あなたの働いている職場の労働問題について、管轄の労働基準監督署が動いてくれれば、そんな問題も解決に大きく動くでしょう。
しかし、ここに1つ落とし穴があり「動いてくれれば」という前提条件が存在します。そう、労働基準監督者は結構動いてくれません。理由は山のようにある全ての相談に対応するのは大変だからで、そもそも殆どの地域で、労働基準監督署の人員が不足しているのです。
そこで、あなたが働く上で困っていて、労基署に相談したけど対応してくれなかった。そんな場合の解決策をお伝えします。なお本記事の結論は、労基署の「上司」である厚生労働省に直接相談しましょう、という事です。
労働基準監督署は働く人の駆け込み寺
あなたが「労働基準監督署に相談してみようかな」と思う事は、すでにそういった知識があるという事で、変な言い方かもしれませんが、恵まれています。ほとんどの人は、「労働基準監督署」なんていう言葉すら知りませんし、そもそも違法な状態で働かせているという認識すらないんです。
よくひどい企業で働いている事に対して「それならとっとと転職すればいいでしょ」なんていう意見をぶつけられますが、そんな企業で働いているほど、夢とか目標とか修行とか、そんな言葉であやつられ、やりがい搾取を知らず知らずさせられてるんです。
- サービス残業させられている
- 休憩ほとんどとれない
- 有給休暇を取らせてくれない
- 過度な長時間労働
- 賃金の不払い・最低賃金以下
- 業務上の怪我を労災としない
こういったおかしな事ですら、「周りもそうだから当たり前の事かも」と思ってしまう人が多い、これが現実です。
労働基準監督署に行けない理由
あなたが働いている会社に信頼できる労働組合が無い場合、相談できる窓口のひとつが労働基準監督署。働く人の、駆け込み寺です。
しかし実際行動に移す方がどれくらいいるでしょう。たぶん、ほとんどいません。
会社にばれたらどうしよう、たったそれだけの理由で殆どの人は行動しません。そして搾取されながら働き、疲弊し、・・身体を壊してしまう人も多いのです。労基署は抜き打ちで立ち入り調査(臨検や監督と呼ばれる)もするので、会社にばれる心配は無いのにです。
相談をしたけれど
あなたが勇気を出して労基署に相談に行った。割と多くの場合、きちんと対応してくれません。それなりにメモをとって終わりかもです。相談したけど3ヶ月何も対応が無かったら、たぶん今後も対応してくれません。
それは冒頭でお伝えしたとおり、多くの労働相談に、労基署の職員が対応できないからです。それを「労基署は働いて無い」と言ってしまうのは簡単ですが、批判だけしていても意味がありません。
労働基準監督署に対応してもらえない場合
労働基準監督署は、厚生労働省の補助機関(出先機関)です。組織上、厚生労働省が管轄しているわけです。その事が何を意味するか。
労働基準監督署にとって、厚生労働省の命令は絶対
つまり、厚生労働省が労基署に「どこどこの会社は労働基準法に反する行為をしているから、きちんと指導しなさい」と指示すれば、労基署も動かざるを得ない、という訳です。
あなたが親の言う事に逆らったり、会社の上司に噛みつく事はできるかもしれません。でも組織としては、子会社が親会社に逆らえないのと同じで、労基署は厚生労働省に逆らう事はできません。
「いやいや、労働基準監督署に行くだけでもしんどいし、時間も掛かる。それなのに厚生労働省に相談?冗談じゃないよ!」
と思われてしまいそうですが、そこは心配無用です。インターネット上で必要事項を入力し、送信すれば大丈夫です。(※スマートフォンからではなく、PCからのアクセスをお勧めします)
上記のサイトは厚生労働省のホームページ内にあるわけですが、インターネット検索からだと相当たどり着きづらいです。まぁこの送信フォーム内にも「相談は最寄りの労基署へ」とあるので、あまり多く送信されても困るんでしょう・・。
ちなみにここを経由すると、もちろん「誰かから相談依頼があったから」とかじゃなく、あくまで定期訪問という形で労基署が調査に来てくれます。100%とは言いません、あなたの地域を管轄する労基署があまりにひどいと、それすら意味無しです。労働相談に乗ってくれる、外部機関を利用しましょう。
ちなみにここまでお読み頂ければ分かると思いますが、労働基準監督署への相談よりも、厚生労働省への連絡の方が簡単です。ネットから送信するだけなので。
ただし一刻も早い対応を望むのであれば、やはり直接、労基署に相談する事をおすすめします。顔をみて相談しないと伝わらない事は、とても多いからです。